認知症介護 二重生活

認知症の母の介護のため自宅と実家の二重生活を送る日々の日記です。

6日目

朝6時ごろに起きだし元気に朝食をとる。

昨日と比べて、顔色も良く声も大きい。

調子が良さそうに見える。

 

10時頃に父と一緒に近所のスーパーへ買い物に行く。

帰宅後、昼食の準備をあれこれやろうと動き回る。

やっぱり調子は良さそうだが、悪い時と良い時の理由がわからない。

調子が良い時の理由が分かればなるべくその条件を作ってあげたいが。

5日目

いつもと違い朝8時になっても起きてこない。

父が声をかけてやっと起き出す。

 

9:30にデイサービスの迎えが来る。

準備に手間取るが素直に出かけていく。

 

13時過ぎに帰宅。

出された昼食を取らなかったそうなので

自宅でパンを食べさせる。

 

今日は調子が悪いのか視線が虚ろで

何もせずにぼーっとしていることが多い。

 

夕方になり眠いと言いだしコタツで横になる。

夜起きだすことなく朝起こすまで寝ていたのに

昼寝をしだすことに心配になる。

 

18時に夕食。食事はしっかりと食べている。

しかし食事が終わると眠いと言いだし寝室に向かう。

 

以前に比べて穏やかに過ごせているとは思うが、

今日の様子は逆に心配になる。

 

 

4日目

夕方から実家に戻る。

 

洋服ダンスを一所懸命に整理している。

理由はわからないがどうも洋服ダンスをが気になるらしく、

事あるごとに開けては閉めてを繰り返している。

 

着替えを用意させて風呂に入るように促すが、

風呂の入り方がよくわからないようだ。

父が説明して風呂に入れるも湯船にとりあえず入っているだけのようで

肩まで入らず寒いと言い出す。

 

入浴後、美味しそうに食事を取る。

相変わらず食欲は旺盛。

 

食後に認知症の症状改善に効果があると教えてもらったメモリオンを食べさせる。

息子の自分が買ってきたものだと伝えると嬉しそうに食べてくれた。

これで少しでも症状改善が見られるといいのだが。

3日目

朝6:00

今日は深夜帯に起きだすこともなく、

朝起きた時の表情も調子が良さそうだ。

起きて早速、朝食を作れるか聞かれたので

ハムと卵を焼きパンと一緒に食べてもらう。

 

食事中、お前は結婚したのかと聞かれる。

妻の名前も知っていて、元気にしているかと事あるごとに聞いてくるのに

結婚したことは思い出せなくなっていたみたいだ。

調子が良さそうと感じたがそうでもなかった。

 

父が外出のため準備を始めると

主婦スイッチが入ったのかエプロンを着はじめて、

服を畳んだり、片付けをはじめだす。

以前と比べて緩慢になった動きを見てしまうと

なんでも手を出してやってあげようと思ってしまうが

できることはやってもらうことで本人もいきいきしてくるようだ。

 

父の外出を見送ると疲れたのか

今はコタツで居眠りしている。

2日目

深夜2:30 水をこぼしたと思い込み、着替えると言い出す。

30分ほどゴソゴソと何かをやっていたが、落ち着いたらしく再び寝る。

 

早朝4:00 夕食を食べていないと台所で何かを作り始めようとする。

前日の夜に用意しておいたおにぎりを差し出すが、

おかずがないからと卵焼きを作ろうとする。

残り物のサラダをおかずとして用意するも炒めて食べたいとのこと。

仕方なくサラダを炒め、一緒にスクランブルエッグを作り食べさせる。

ひととおり口にすると満腹になったのか再び寝ると2階の寝室へ。

 

日中はディサービスに通い、昼食を済まして帰る。

 

夕方散歩から戻ると早速夕食を食べ始める。

フライドチキンをペロリと食べ、ご飯も茶碗で1.5杯を平らげる。

見た目は随分と老け、動きも緩慢になったが食欲は旺盛だ。

 

息子の自分がいると以前父から聞いていた状態よりは良いように感じる。

母親らしくいようとがんばってくれているのかもしれない。

二重生活 初日

二重生活の初日。

 

夕方に実家に戻ると散歩から両親が帰ってきたところだった。

散歩と言えば聞こえはいいが、

実際は自宅にいるにもかかわらず「帰る」と言い出した

母の徘徊を防ぐために父が付き添って歩き回っていたものだ。

 

こんなとき以前は説得して分からせようとしていたが、

今は外出に付き合ってある程度歩いて落ち着いたところで

帰宅を促す方法でうまくやれているようだ。

先日、偶然道を聞かれた際にお話をさせていただいた

認知症の専門家の方も一番いいのはこの方法だとおっしゃっていた。

 

 

帰宅したばかりの母からは以前にも増して「衰え」を感じた。

視線も虚ろ、声も小さく動作も緩慢、顔の表情も無くなっているようだった。

 

しかし夕飯をつくるから手伝うように言うと、

ゆっくりとした動作ながらも野菜を切ったりし、

少しだけ笑顔も見られた。

 

長いようで短い介護二重生活が静かにはじまった。